3.11後を生きる (2012) / After March 11th

中田秀夫監督が、東日本大震災の半年後に被災地を訪れ、被災者たちに取材したドキュメンタリー。自分自身も津波の恐怖を体験した上に最愛の家族を亡くし、深い悲しみの中で苦しみに耐えながら生きる人々に密着することで明らかになった、報道からは知ることのできないリアルな姿を伝える。

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3.11後を生きる (2012) / After March 11thの概要

本作品では、震災と津波によって家族5人全員を失った岩手県山田町のタラ漁師、五十嵐さんに最大の重心を置き、漁を再開した彼の生き方を見つめる。また、一人娘と3人の孫を失った釜石のスナック経営者、三浦さんは、“なんで私が代わりに死ねなかったのか。なんであんな幼い子たちが”、“これは私が何かよほど悪いことをしてきた報いなのか”など、答えの出ない問いに苦しんでいた。これに対して、被災地沿岸部に信者の多い曹洞宗の日本三大霊山である恐山菩提寺の南直哉院代に供養を依頼し、三浦さんの問いについてお話を伺う。とはいえ、本作はこのような問いに答えを出すものではない。強く意識したのは、仏教で言う“逆縁”。家族の中で年少者が先に亡くなる苦しみを指す。子や孫を失えば、このような大災害でなくとも遺族の心に大きな傷が残る。しかも今回の震災では、別れを言う間もなく家族を亡くし、また未だにお骨の上がらない方々も数多くいる。2011年3月11日を生き延びた人々が、亡くなった家族を忘れられないまま生を営み、ともに残された家族を物心両面で支え、仕事に打ち込む姿をカメラは捉えた。

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